タミヤ製のP-38。大戦機モデラーの何人がその実現を夢見たであろうか。
P-38なんて実に模型映えするデザインだし、実機は一万機以上生産されているし、マーキングのバリエーションも実に豊富、逸話にも事欠かず、実機も現存しているから取材も可能など、さも模型化してくださいと言わんばかりの戦闘機なのに、タミヤのキット化は遅すぎたと言えるでしょう。
ボーファイターやミーティアなど、P-38よりずっと採算の取れなさそうな戦闘機はキット化しているのにね(笑)

キットの出来は結論から言えば、全スケールを通じてP-38の決定版と言えるものでしょう。
従来のP-38キットは、その特異な形状の機体を歪みなく組み上げるのに細心の注意を要しましたが、このキットは巧みなパーツ分割と桁パーツを組み込む事で、労する事なく正確なアライメントでガッチリ組み上がります。

パーツの多くがパネルラインのある箇所で分割されているので、合わせ目処理が最低限で済むのもタミヤならではの気遣いで、組み立てのストレス軽減に大きく貢献しています。
前輪式の機体でも尻餅防止用のウェイトを入れないキットが圧倒的に多いですが、このキットにはちゃんと付属するので実に有り難いです。

ディテールもこのスケールではトップクラスの再現度で、従来のP-38キットでは完全に無視されていた、F型とG型の相違点を細部まで再現しているのは特筆に値します。

アクセサリーは150ガロン増槽と300ガロン増槽の二種が付属しますが、ベンジェンス作戦くらいしか使い道のない、300ガロン増槽がパーツ化されたのはこのスケールでは初めてだと思います。
F型からは爆弾搭載能力も付与されているのが特徴なので、贅沢を言えば爆弾も入れて欲しかったところ。

マーキングはバーバー中尉機とスパークス少尉機の二種で、各機のエピソードは別紙の解説書で述べられていますが、バーバー中尉機はP-38のエピソードの中では語り草となっている山本五十六抹殺作戦「ベンジェンス」に参加した一機で、山本五十六長官の一式陸攻を撃墜した(可能性が高い)機体です。

パーツ分割を見る限り、J/L型のリリースは間違いないと思われますが、最近のタミヤは腰が重いので、早めのリリースを期待したいです。

tamiya have exceled with this kit the best p38 on the market

A master piece of a model kit to build typical Tamiya I loved it.